Complete text -- "SOFTENING"

31 December

SOFTENING



革はなにもせずに乾かすとパリパリに硬くなってしまう。そこであらかた乾いた局面から、乾くまで揉んだりし続けて柔らかくする。本日はその作業である。
剥製屋のマニュアルなんかを読んでいると大体95%乾いた所あたりで始めると良いとある。が、その「乾く寸前」の状態というのもよく分からず、またどれ位の速度でそこに到達するかも分からない。通常1〜2日で乾くとの事だが、革自体がオイリーなのと、冬ということもあって完全に乾くには2〜3日と見込みをつけ、週間予報が晴れの今日に狙いを定めてオイル水を塗り込んで水分を浸透させ、濡れタオルをかけたり、ブルーシートで覆ったり、風にあてたりして調整していた。
この作業はソフトニングというのだが、コツはともかく完全に乾くまで続ける事なのだそうだ。それはそうだろう。普段僕も細工の上で必ず革を一度濡らしてから使うのでよく分かる。スモークしていない革は、最後の最後まで揉み続けても、元通りの柔らかさにはならない。
ちなみにスモークした革は、例え濡らしても、乾いた後でも揉めば元に戻る。つまり革を水で台無しにしないためにスモークするのだ。

ソフトニングには色々なやり方があるが、今回僕がやったのは、 STAKING という方法。そして通常は丸太を使ったりワイヤーロープを使ったりするのだが、筋トレのバーベルラックを分解してそれに肉面を擦り付けて柔らかくする方法、そして手揉み。

STAKING はラックに張り付けた状態で行う。革の厚さに応じて乾く速度も異なるので、乾きかけたところから行う。STAKEと呼ばれる木の棒の様なツールを自作し、それで最初は革をギューっと突いていき、徐々に伸ばしていく。そして革繊維が伸びて来たら、押しながらこすっていく。体重をかけて思いっきり押さないと、なかなか想う様には伸びてくれない。



通常は樫等で出来た、斧等の柄の先端を削って軽くナイフの様に尖らせて STAKE にしたり、野球のバットを使ったりするのだが、ホームセンターで売っていた、地面にこびりついたガム等を剥がす為のスクレイパーがちょうど良かったので、それを買ってブレードの両端を削って丸くして STAKE にした。最初はブレード側でなく、尻の部分で突いていき、馴染んだところでブレードに切り替えた。これで2時間程徹底的に伸ばした。
STAKE は伸ばす場所がピンポイントに近いので、穴があると広げてしまう危険性が高い。僕も薄くなっていたところを3カ所裂いてしまった。補修しても薄すぎて、革がどんどん悲鳴を上げていく。
そこでまだ乾いていなかったが、バーベルラックを使った SOFTENING に切り替えた。
通常この作業は、ワイヤーロープ等を使い、バックスキン等を伸ばすのに使うのだが、Wes Housler がSTAKING とこの方法を併用していたので、僕も応用してみた。また、Jim Riggsもスモーキングの後でこの方法を軽く使うそうだ。



この方法は何せかなりキツイ。思いっきりゴシゴシとしごいていくのだが、30分と連続出来ずに、広背筋が悲鳴を上げる。で、だましだましにやったのだが、完全に乾く前にギブアップ。1時間半程しか持たなかった。
思った以上に乾いていなかった様なので、バーベルラックと物干竿を工房に持って入り、そこに革をかけ、バーベルラックに置いた物干し竿を回転させながら手で揉んでいくという方法を自分で編み出し、ヒーターで強制乾燥させながら、現在も作業は継続中である。

さて、本日は12月31日。熊の革を揉みながら年を越しそうだ。




19:22:51 | hilo | |
Comments

トモトモ wrote:

かなりふんばってる表情ですが・・・
年越しそばで休憩を(^-^)

よいお年をお迎えください♪
12/31/06 23:41:41

hilo wrote:

肉体労働です。おかげさまでゆく年来る年を見ながら年内にソバを食べました。本当に良い年越しでした。
今年もよろしく!
01/01/07 14:37:17
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