Complete text -- "鹿革のスモークの真の威力"

11 January

鹿革のスモークの真の威力



「資格」四面の世の中・・・そのうちインディアン・ビーズ検定なんてものが出来やしないかと、自己流の僕は戦々恐々としております。
そういう資格嫌いの僕ですが、ウンテンメンキョとエイケンとキュウキュウインの資格は持っております。ウンテンメンキョは別にしても、他は資格があったからって、それでどうなったって事はありません。要は出来てナンボっていう次元でしか生きた事がありません。


それはともかく。宮内庁の正倉院紀要閲覧第28号に、鹿革のスモーク(燻し処理)に関する非常に興味深い記述を見つけました。鞣しにまでは興味無くとも、スモークした鹿は色々なところで使われていますので、興味ある方も多いかと思います。抜粋を紹介致します(以下、正倉院紀要閲覧第28号「正倉院宝物に見る皮革の利用と技術」出口公長氏著より一部を要約)。


正倉院の宝物は千数百年の歳月を経ているが、そのうち、鹿革で作られた物は今日でもその柔軟性が損なわれていないばかりか、保管の良い物に関しては色彩までもが失われてはいない。宝物の鹿革はほとんどがバックスキンであり、今日に置いても柔軟性が失われていない理由の一つに燻し(スモーク)が考えられる。
これらの鹿革は脳漿による鞣しがされたようであるが、脳漿も化学的には皮蛋白と反応するとは考えがたく、単なる潤滑作用を持つに過ぎないが、真の鞣し効果を持つのは草木を燃やした時の煙の成分である。この処理を受けると、比較の保存性・耐久性が高まる。



他にも保存性等に関しては色々な要因があるそうなのですが、ちょっとすごいですね。燻しは僕も最近特に力を入れて勉強しています。ちなみに、燻しだけで鞣す方法もあるんですよ。

革は濡らすと硬くなってしまう事は良く知られていますが、スモークした革だと、揉んであげるだけで柔軟性が復活します。細菌等の繁殖を防ぎ腐りにくいという売り口上をよく聞きますが、僕はそれはどうかと思います。

あと、OGLALAへオーダーしてくださるお客様から「一生ものが欲しい」というご要望をよく伺いますが、それはちょっと違うと思います。修理等に関しては経年変化と乱暴な扱いによる破損以外は無償修理しておりますが、結局革である限り要は保管方法によることであり、一生モノになるかどうかはお客様次第ということでしょう。僕に出来るのは、最大限勉強して努力して、「そう成りうる商品を提供する」ことだけです。
でも、その「保管」によっては千数百年もそのまま残るんですね。これにはちょっと驚きました。正倉院の校倉造りの保存の質って結構怪しいと言う話ですし。細菌が繁殖しない説もあながち嘘では無いかもしれません。

一生ものどころではないですね。亀でも一生では足りません。屋久島の千年杉用に良いかもしれませんね。


上記資料にご興味のある方はグーグル検索してみて下さい。一発で出て来ます。勝手にリンクを貼ると怒られそうなので。




14:33:34 | hilo | |
Comments

さんきち wrote:

面白いね、洋の東西でそれぞれ皮の文化に共通するものがあって。西洋の人がアメリカへ移る以前からシルクロードやロシア・東欧経由かなんかで東洋と同じような文化を形成していたのかな・・・。
01/11/07 19:45:20

hilo wrote:

う〜ん、発祥は同じかもしれないね。
日本に脳漿鞣しを伝えたのは新羅との事だから、同じ技術を西洋人が大航海時代以前に持っていても不思議では無いからね。
01/11/07 21:01:57
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